2012年3月29日木曜日


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投稿者: もり
投稿日:2011年01月19日 08:15

主婦
32歳

2012年3月28日水曜日


2012年3月26日月曜日


2012年3月24日土曜日


  • 定義・概念
  • 強皮症は皮膚が硬くこわばってくる疾患群で、皮膚とその下部の筋肉、時に骨の変化が起こる「限局性強皮症」と、皮膚硬化の他に内臓にも変化をともなう「全身性強皮症(汎発性強皮症)」とに分かれます。前者は患者さんの見かけや手足の動きに不便をもたらすことがありますが、生命の危険はありません。しかし、後者は膠原病の一種で、難病の範疇に属します。両者は別々の病気であり、当ページでは全身性強皮症について述べていきます。
    全身性強皮症は、以前は「進行性全身性硬化症(Progressive Systemic Sclerosis, PSS)」とも呼ばれていました。しかし、症状が軽く進行もほとんどしない患者さんがたくさんいることがわかってきたため、「進行性」という言葉は使われなくなりました。、現在は「全身性硬化症(Systemic Sclerosis: SSc)」という別名が使われています。
    硬くなる変化(線維化)は皮膚だけではなく、肺や食道などにも起こりやすく、同時に血管の異常を伴います。患者さんの半分以上がレイノー現象からはじまっていますが、指先のむくみ、こわばり、皮膚の硬化、関節の痛みや疲れやすいといった症状ではじまる場合もあります。皮膚の硬化がはっきりしない段階では、レイノー病、自律神経失調症、しもやけの一種、関節リウマチなどと診断され、何年もの間、診断が決まらないこともまれではありません。また近年、必ずしも進行性ではなく自然に軽快する例もあることがわかってきました。
    現在この病気は、皮膚硬化の進行が急速で、内臓にも症状を伴いやすく、発症5~6年でピークをむかえる「びまん皮膚硬化型(diffuse型)」と、レイノー現象が先行し、ゆっくりと進行し皮膚硬化の範囲も狭く、内臓の症状も一般に軽い「限局皮膚硬化型(limited型)」に分類されています。

    (参照:竹原和彦、佐藤伸一、桑名正隆編著『強皮症のすべてがわかる本』保健同人社、2008、P.12-13、49、『難病の診断と治療方針1改訂版』疾病対策研究会 2003、P.76)

  • 疫学
  • 厚生労働省の特定疾患医療受給者証交付件数に関する統計では、(全身性)強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎の件数が一括して計上されているため、全身性強皮症の正確な数字は不明ですが、合計で約2万5千人の認定患者さんが存在することから(平成10年度)、この疾患単独では、おおよそ1万5千人強の患者さんが登録されていると推定されます。いろいろな理由で登録されていない患者さんがいることを考えると、全国に2万人以上の患者さんがいると思われます。また、平成17年度の統計では3疾患の患者さんは合計で3万4千人を超えていることから、全身性強皮症の患者さんの数は更に増えているかもしれません。
    この病気は幼児からお年寄りまですべての年代にみられますが、ほとんどの場合25~50 歳ぐらいの年齢で発病します。日本の統計では圧倒的に女性に多く、1:10くらいの比率ですが、欧米では1:2~4とされています。その違いは人種の差によるものだと考えられており、この見方を検証するため、厚生労働省の研究班が平成14年度から早期重症例のデータの蓄積をはじめています。

    (参照:厚生労働省強皮症調査研究班編『強皮症がわかる』(改訂版、2004年)P.2-3、難病対策研究会監修『平成19年度版難病対策提要』太陽美術、P.455-456、『厚生労働科学研究費補助金難治性疾患研究事業 強皮症における病因解明と根治的治療の開発 平成14~16年度 総合研究報告書』(強皮症調査研究班事務局、P.1))

  • 自立率
  • 平成10年度の厚生省の推計(平成7年度の調査をベースに推計)によると、(全身性)強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎の患者数約2万5千人のうち、自立している方は88.9%、一部介助の方は9.3%、全面介助の方は1.8%という割合になっています。

    (参照:難病対策研究会監修『平成19年度版難病対策提要』太陽美術、P.414)

  • 成因
  • 全身性強皮症の原因はいまだによくわかっていませんが、多くの科学者や医学者がその原因をつきとめようと努力を重ねています。以下のようないくつかの事実が既に明らかにされており、これらを結びつけることによって病因や病気が進行する仕組みを解明できるかもしれません。

    (1)皮膚やその他の結合組織(いろいろな組織を結びつけている部分)では線維芽細胞という細胞がコラーゲンという成分を合成しています。この疾患ではコラーゲンの合成が高まっていることが知られています。

    (2)患者さんの血液を採取して、中に含まれる「抗核抗体」という成分があるかどうか調べてみると、約90%の方に見つかります。この抗核抗体は正常な方ではほとんど検出されず、逆に全身性強皮症をふくむ膠原病の患者さんではよく見つ かります。抗核抗体には様々な種類がありますが、この疾患では抗トポイソメラーゼ1(Scl-70)抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体などが検出されます。このことから、全身性強皮症には免疫の異常がかかわっているとみられています。

    (3)血管の壁を覆っている血管内皮細胞を障害する因子が患者さんの血液中にみつかったとの報告があり、血管の障害がこの病気の最初の段階とする見方がありますが、現在までこのような因子の存在についてはっきりとした結論は出ていません。最近では血管内皮細胞になる前段階の細胞(前駆細胞)が減った結果、血管内皮細胞が障害されてもうまく修復されないという説が注目されています。

    ※コラーゲン…動物の皮革、腱、軟骨などを構成するタンパク質の一種で、細胞を接 着させるなどの働きがあります。
    ※抗核抗体…自分の細胞内にある核の様々な成分に対してできる抗体をいいます。

    (参照:竹原和彦、佐藤伸一、桑名正隆編著『強皮症のすべてがわかる本』保健同人社、2008、P.18-22、55-57)

  • 臨床症状
  • 1.レイノー現象
  • レイノー現象はフランス人医師Maurice Raynaud(1834-1881)によって報告された症状です。手足の指先が冷たい刺激やストレスを受けて、中にある血管が血行障害を起こし、指先の色が蒼白から紫色へと変わり、赤くてなって終わります。蒼白は動脈がけいれんして収縮するために起こります。紫色は毛細血管や小さい静脈が拡張して、血流が滞ることで起こります。その後、血行が急激に戻ると、充血によって色が赤くなります。色が変化するとともに、指先が冷たく感じられたり、むずむずしたり、痛くなったりします。