アトピーは和食が大切 リノール酸を減らして、α−リノレン酸を強化
アトピーに和食が良いといわれても、ぴんときません。ずばり、油の摂り方に注意してください。つい最近まで体に良いとされてきた必須脂肪酸の紅花油(リノール酸)の過剰摂取が健康を害していると提言されています(日本脂質栄養学会)。
名古屋市立大学薬学部、奥山治美教授が推奨する食事は主食が米と小麦、副食は主菜として、魚介類、大豆などの豆類、副菜が緑黄色野菜、根菜、きのこ類、海藻類など。この食事で、リノール酸が少なくなり、アレルギー体質になるのを抑えるα-リノレン酸(魚油類)をたっぷりとることができます。
最近の調査によると、総脂肪酸中の母乳のリノール酸含量は、日本が 13%、ドイツ9 %、オーストラリア8%、 スウェーデン8%です。母親もリノール酸の摂取を制限するべきです。
<名古屋市立大学薬学部教授奥山治美先生>
○α-リノレン酸により実感できる体調面での変化。
α-リノレン酸を積極的に摂取することで、心筋梗塞やガンなどの生活習慣病予防に役立ち、アレルギー性疾患の改善を実感できる人は多い。具体的な反響としては「皮膚のかゆみが減ってツヤが出た」、「アトピーが治った」、「口内炎、口角炎が出なくなった」、「頭の脂漏性皮膚炎が消えた」など。臨床テストでも、アトピー性皮膚炎の患者に、シソ油によるα-リノレン酸の強化食を与えたところ、15ヶ月間で皮膚の乾燥や発赤が大幅に改善している。さらに、α-リノレン酸による喘息発作の抑制も判明しています。逆にいえば、昨今増加しているアレルギー性疾患の要因としては間違った油のとりかた、つまりリノール酸の過剰摂取があげられるわけです。
○シソ油やアマニ油は一般の食料品店でも買える。
シソ油、エゴマ油(シソ科の植物)、アマニ油はα-リノレン酸系が豊富で、健康面での効用が評価されています。高温調理には向いていませんが、ホットプレートなどで炒めものを作る分には問題ありません。
○オリーブ油やゴマ油も健康にいいという話を聞きますが…?
地中海地方で、オリーブ油や菜種油をよくとっている人々は心臓病死の危険率が70%に減少したという報告があります。血中のリノール酸が減り、α-リノレン酸とオレイン酸が増加したためと考えられますが、動物実験ではそれらの油をエサとした脳卒中ラットの寿命が40%短縮したという結果もあります。これは未特定の微量有害成分によると推測され、人間の場合も極端なとりすぎは避けた方がよいようです。芳香がすばらしいゴマ油も、α-リノレン酸の含有量は少なく、脂肪酸組成のバランスはよくありません。グレープシードオイルが健康にいい、という話もありますが、こちらはリノール酸が実に80%もあり、問題です。
○魚に含まれる油はシソ油のように健康に良い。
魚に含まれるDHA、EPAという脂肪酸は、α-リノレン酸系に分類され、シソ油と同様の健康効果が期待できます。青背の魚の赤身に多く含まれ、とくにイワシ、カツオのほか、カワハギ、タラ、ハタハタ、ムツ、アナゴなども脂肪酸のバランスにすぐれています。食べ方としては刺し身、焼き魚、煮魚、寿司などがオススメ。天プラやフライは、リノール酸系の食用油で揚げた場合に、魚の油の効用が相殺されます。同じく、リノール酸系の油づけのツナ缶詰めもご注意(最近は改善されてきましたが)。
| 飽和脂肪酸他 | オメガ9 | オメガ6 | オメガ3 |
オリーブ油 | 10 | 82 | 8 | |
紅花油 | 8 | 13 | 79 | |
ごま油 | 13 | 46 | 41 | |
菜種油 | 6 | 60 | 24 | 10 |
亜麻の実油 | 9 | 19 | 16 | 56 |
シソ油 | 10 | 14 | 13 | 63 |
大豆油 | 15 | 22 | 55 | 8 |
○1960年代から70年代にかけてアメリカでは成人病による死者が急増し、上院が総力を結集してその原因を追及しました。1977年に発表されたマクガバンレポートで「ほとんどすべての病気 は悪しき食習慣によるものである」と断定したことは特筆すべきことです。悪しき食習慣の中で真っ先に名指しされた悪しき食品は「砂糖、油、肉」です。アメリカではその後、肉食中心から菜食中心へと 意識が変わり、適度な運動や老後にも生き甲斐をもって暮らせる環境作りが整備され、レポートから20年後の現在、100歳以上の人口は人口比で日本の3倍以上になっています。またその多くが介護を必要としない自立した老人です。「コーラ片手にハンバーガーをほおばり、夜はビールと分厚いステーキ」というイメージは米国では、もう過去のもの。そんな状況ですから、アメリカでは「悪しき食習慣が病気を引き起こす」ということは医学の分野ではもはや常識。そのなかで油に関して重要な研究が続々発表されています。
脂肪酸は飽和脂肪酸(一般的に言われる常温で固体の脂肪、肉の脂身など)、不飽和脂肪酸(サラダ油など食用油の主成分。常温で液体、オメガ3:α-リノレイン酸、DHA、EPAなど、オメガ6:リノール酸、オメガ9:オレイン酸)に分類されます。
○マーガリン、紅花油にはリノール酸が高濃度
マーガリンにはトランス脂肪酸が、紅ばな油にはリノール酸が高濃度に含まれています。厚生労働省はそのことを把握しています。しかし、メーカーに配慮してかマスコミでは一切報道されません。とにかく、これからはマーガリン、紅花油は避けましょう。お子さんが食べている場合はなおさらです。大手メーカーの市販されているパンなどに含まれるショートニングや植物性油脂はマーガリンと同等と考えて下さい。バターロールもバターではなくマーガリンが使われていることがあります。
○α-リノレン酸(オメガ3系)のはたらき 〜DHAはα-リノレン酸から合成される〜
オメガ6系のリノール酸、オメガ3系のα-リノレン酸は人間の体内で合成することのできない栄養素で、必須脂肪酸と呼ばれています。二つの必須脂肪酸は互いに協調してはたらき、自動車でたとえればアクセルとブレーキの関係と似ています。リノール酸はアクセルの働きに似ていて、過剰に摂取するとアレルギーやガンの発生を助長します。逆にα-リノレン酸はアレルギーやガンの発生を押さえるなど、ブレーキに似た役割をしています。現代の食環境ではリノール酸は十分どころか、摂取し過ぎています。逆にオメガ3系のα-リノレン酸が不足しています(100年前と比較すると20%しか摂取できていません)。
その理由は
1) α-リノレン酸は酸化しやすく、保存性が悪い。 →ほとんどの食用油はオメガ6系のリノール酸かオメガ9系のオレイン酸。