2012年4月25日水曜日

アトピーと和食


アトピーは和食が大切 リノール酸を減らして、α−リノレン酸を強化

アトピーに和食が良いといわれても、ぴんときません。ずばり、油の摂り方に注意してください。つい最近まで体に良いとされてきた必須脂肪酸の紅花油(リノール酸)の過剰摂取が健康を害していると提言されています(日本脂質栄養学会)。

名古屋市立大学薬学部、奥山治美教授が推奨する食事は主食が米と小麦、副食は主菜として、魚介類、大豆などの豆類、副菜が緑黄色野菜、根菜、きのこ類、海藻類など。この食事で、リノール酸が少なくなり、アレルギー体質になるのを抑えるα-リノレン酸(魚油類)をたっぷりとることができます。

最近の調査によると、総脂肪酸中の母乳のリノール酸含量は、日本が 13%、ドイツ9 %、オーストラリア8%、 スウェーデン8%です。母親もリノール酸の摂取を制限するべきです。

<名古屋市立大学薬学部教授奥山治美先生>

○α-リノレン酸により実感できる体調面での変化。

α-リノレン酸を積極的に摂取することで、心筋梗塞やガンなどの生活習慣病予防に役立ち、アレルギー性疾患の改善を実感できる人は多い。具体的な反響としては「皮膚のかゆみが減ってツヤが出た」、「アトピーが治った」、「口内炎、口角炎が出なくなった」、「頭の脂漏性皮膚炎が消えた」など。臨床テストでも、アトピー性皮膚炎の患者に、シソ油によるα-リノレン酸の強化食を与えたところ、15ヶ月間で皮膚の乾燥や発赤が大幅に改善している。さらに、α-リノレン酸による喘息発作の抑制も判明しています。逆にいえば、昨今増加しているアレルギー性疾患の要因としては間違った油のとりかた、つまりリノール酸の過剰摂取があげられるわけです。

○シソ油やアマニ油は一般の食料品店でも買える。

シソ油、エゴマ油(シソ科の植物)、アマニ油はα-リノレン酸系が豊富で、健康面での効用が評価されています。高温調理には向いていませんが、ホットプレートなどで炒めものを作る分には問題ありません。

○オリーブ油やゴマ油も健康にいいという話を聞きますが…?

地中海地方で、オリーブ油や菜種油をよくとっている人々は心臓病死の危険率が70%に減少したという報告があります。血中のリノール酸が減り、α-リノレン酸とオレイン酸が増加したためと考えられますが、動物実験ではそれらの油をエサとした脳卒中ラットの寿命が40%短縮したという結果もあります。これは未特定の微量有害成分によると推測され、人間の場合も極端なとりすぎは避けた方がよいようです。芳香がすばらしいゴマ油も、α-リノレン酸の含有量は少なく、脂肪酸組成のバランスはよくありません。グレープシードオイルが健康にいい、という話もありますが、こちらはリノール酸が実に80%もあり、問題です。

○魚に含まれる油はシソ油のように健康に良い。

魚に含まれるDHAEPAという脂肪酸は、α-リノレン酸系に分類され、シソ油と同様の健康効果が期待できます。青背の魚の赤身に多く含まれ、とくにイワシ、カツオのほか、カワハギ、タラ、ハタハタ、ムツ、アナゴなども脂肪酸のバランスにすぐれています。食べ方としては刺し身、焼き魚、煮魚、寿司などがオススメ。天プラやフライは、リノール酸系の食用油で揚げた場合に、魚の油の効用が相殺されます。同じく、リノール酸系の油づけのツナ缶詰めもご注意(最近は改善されてきましたが)。

 

 

飽和脂肪酸他

オメガ9

オメガ6

オメガ3

オリーブ油

10

82

8

 

紅花油

8

13

79

 

ごま油

13

46

41

 

菜種油

6

60

24

10

亜麻の実油

9

19

16

56

シソ油

10

14

13

63

大豆油

15

22

55

8

 

1960年代から70年代にかけてアメリカでは成人病による死者が急増し、上院が総力を結集してその原因を追及しました。1977年に発表されたマクガバンレポートで「ほとんどすべての病気 は悪しき食習慣によるものである」と断定したことは特筆すべきことです。悪しき食習慣の中で真っ先に名指しされた悪しき食品は「砂糖」です。アメリカではその後、肉食中心から菜食中心へと 意識が変わり、適度な運動や老後にも生き甲斐をもって暮らせる環境作りが整備され、レポートから20年後の現在、100歳以上の人口は人口比で日本の3倍以上になっています。またその多くが介護を必要としない自立した老人です。「コーラ片手にハンバーガーをほおばり、夜はビールと分厚いステーキ」というイメージは米国では、もう過去のもの。そんな状況ですから、アメリカでは「悪しき食習慣が病気を引き起こす」ということは医学の分野ではもはや常識。そのなかで油に関して重要な研究が続々発表されています。

脂肪酸は飽和脂肪酸(一般的に言われる常温で固体の脂肪、肉の脂身など)、不飽和脂肪酸(サラダ油など食用油の主成分。常温で液体、オメガ3:α-リノレイン酸、DHAEPAなど、オメガ6:リノール酸、オメガ9:オレイン酸)に分類されます。

○マーガリン、紅花油にはリノール酸が高濃度

マーガリンにはトランス脂肪酸が、紅ばな油にはリノール酸が高濃度に含まれています。厚生労働省はそのことを把握しています。しかし、メーカーに配慮してかマスコミでは一切報道されません。とにかく、これからはマーガリン、紅花油は避けましょう。お子さんが食べている場合はなおさらです。大手メーカーの市販されているパンなどに含まれるショートニングや植物性油脂はマーガリンと同等と考えて下さい。バターロールもバターではなくマーガリンが使われていることがあります。

○α-リノレン酸(オメガ3系)のはたらき  〜DHAはα-リノレン酸から合成される〜

オメガ6系のリノール酸、オメガ3系のα-リノレン酸は人間の体内で合成することのできない栄養素で、必須脂肪酸と呼ばれています。二つの必須脂肪酸は互いに協調してはたらき、自動車でたとえればアクセルとブレーキの関係と似ています。リノール酸はアクセルの働きに似ていて、過剰に摂取するとアレルギーやガンの発生を助長します。逆にα-リノレン酸はアレルギーやガンの発生を押さえるなど、ブレーキに似た役割をしています。現代の食環境ではリノール酸は十分どころか、摂取し過ぎています。逆にオメガ3系のα-リノレン酸が不足しています(100年前と比較すると20%しか摂取できていません)。

その理由は

) α-リノレン酸は酸化しやすく、保存性が悪い。 →ほとんどの食用油はオメガ6系のリノール酸かオメガ9系のオレイン酸。


胃の右側に痛み

) α-リノレン酸を多く含む食品が食卓から減っている。 → α-リノレン酸を多く含む食品は、海藻類野菜種子胚芽類(熱帯のものではないもの)ですが、穀物の精白や肉食化でα-リノレン酸の摂取量が減っています。明らかに不足しているα-リノレン酸ですが、その役割は非常に重要です。

○< α-リノレン酸の役割>

1)細胞膜の重要な構成要素である

2)脳、神経系の発達や働きに重要な役割を果たす

「頭を良くし、血液をさらさらにする栄養素」として、DHAは有名。DHAはオメガ3系の脂肪酸でα-リノレン酸から体内で合成されます。脳神経系にはオメガ3、6系の脂肪酸が多く含まれ、特にオメガ3系の脂肪酸が重要な役割をしています。脳神経系の成長段階でα-リノレン酸が欠乏するとDHAが合成できず、十分な発達ができないことが分かっています。視力にも重要な役割があり、ぼけや痴呆にも関与しています。

3)アレルギーやガンの発生を押さえる

人間の体は、絶えず中枢神経系の命令が、上位ホルモンから下位ホルモンに伝わり、さらにその下位ホルモン(プロスタグランジン)から酵素に伝わって様々な化学反応を行っています。このうち第三のホルモンと言われるプロスタグランジンは必須脂肪酸から合成されます。オメガ3系から合成されるプロスタグランジン(免疫機能を万全に働かせるのに欠かせない)は、アレルギーやガンの発生を押さえるはたらきをします。

4)心臓病や脳血管病を防ぐ

血中のコレステロールをコントロールしたり血液をさらさらにし、血圧を下げ、心臓病や脳血管病を防ぐはたらきをします。

○リノール酸を減らして、α−リノレン酸を多く摂ることがアレルギーを抑制する原理

アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患のコントロールで、アラキドン酸からつくられる痛み・炎症のもととなる炎症系のプロスタグランジンの生成をいかに抑えるかというのが大きな問題。

リノール酸の摂りすぎは炎症を抑える働きのγ-リノレン酸の産生を抑えるので、生活習慣の中でリノール酸の摂取はできるだけ控えた方が良い。α−リノレン酸やEPA、をDHAを積極的に摂ると、必要以上のアラキドン酸が生成されないため、炎症系のプロスタグランジンが発生しにくくなる。

炎症反応に関与する種々のエイコサノイドを産生するアラキドン酸カスケードが、ADの病態に深く関わる。

ω3系の多価不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA (ドコサヘキサエン酸)の投与によって、アラキドン酸カスケードに変動を与えAD患児の症状が改善する。

 

○現代の油事情 精製油の製法/トランス脂肪〜

現代の油事情で問題なのは、α-リノレン酸の摂取が少なくなっていることだけではありません。健康より経済が優先された結果、自然界には存在しない油=トランス脂肪酸を含む食用油が氾濫する結果となりました。

<マーガリン>水素添加によって2重結合の割合を人為的にコントロールできますので、液体状の油を固体にすることも、またその中間の状態にすることも可能です。中間の状態、つまり液体でも完全な固体でもない状態で、パンに塗りやすくしたものがマーガリンです。食用油より水素添加を多くして精製するため、トランス脂肪を含む割合も多くなり、食品と呼べない代物になります。日本では報道されていませんが、トランス脂肪酸を多く含むマーガリンは悪性リンパ腫の原因になることがわかり、欧米ではマーガリンからトランス脂肪酸が除去されています。

もし、トランス脂肪酸が存在しなくてもマーガリンそのものが工業的に作られたプラスチック食品である事に変わりはありません。化学的に精製する過程で未知の物質が含まれる可能性もあります。ですからトランス脂肪酸が不検出でも、そのマーガリンがいいマーガリンとは言えません。腐ることのないマーガリンは、メーカーとしては好都合ですが、人間の体内では分解しきれず必ず不都合が生じます。分解しきれず体のどこかに溜まっていくとしたら、いつか問題が起きることは明白です。マーガリンそのものを食べる必要はありません。パンにどうしてもという場合は、バターを選択していただくことをお勧めします。

 

日本経済新聞(夕刊)2003710

トランス型脂肪酸

健康損なう恐れ、食品表示義務化、米当局

米食品医薬品局(FDA)は九日、マーガリンやスナック類などに含まれる「トランス型脂肪酸」をとり過ぎると健康を損なう恐れがあるとして、食品メーカーかに同脂肪酸を含む食品について、表示を義務づけると発表した。

トランス型脂肪酸は液状の油である不飽和脂肪酸に水素添加という化学処理を施して固形化させた油の総称。マーガリンや一部の食用油、スナック類などに含まれる。

 

マーガリンの危険性の情報。「これがファーマネックスだ」(ニューライフ出版)によれば、『マーガリンは19世紀中ばの1869年にフランスの化学者イッポリト・メージューリエによって考案されました。ナポレオン三世が戦争や革命をおこなったためにバター不足になり、その解消のために代替え品を募集し、マーガリンが生まれたのです。このマーガリン、現在ある食品のうち最も危険な食品のうちの一つです。デンマーク、オランダでは発売禁止、ドイツではトランス型と呼ばれる脂肪酸を含むマーガリンを製造が禁止されています。

その他多くの先進国ではマーガリンは毒物として扱われています。なぜマーガリンがそれほどまでに危険な食品だと言われるのでしょう?

マーガリンの原料のひとつは自然に存在する脂肪酸です。しかしその製造過程で自然に存在する脂肪酸が、自然に存在しないタイプのトランス型脂肪酸に変化します。このトランス型脂肪酸はとても危険。トランス型脂肪酸を材料に作られた細胞膜は非常にもろく、有害物質を簡単に通します。有害物質が細胞に入ると、心臓病、アレルギー、ガンなどの病気を引き起こしたり、悪化させる可能性を高めたりします。そのうえトランス型脂肪酸は、体外に出る時に大量のビタミン、ミネラルを消耗させる有害物質になります。』

このマーガリン、ポテトチップス、キャンディーなどにも使用されています。酸化されやすい油脂で、体内に入ると直ちに酸化がはじまり、フリーラジカルという物質も増えます。

 

○現代人の油環境は、

1)トータルとして油、脂肪の総摂取量が多過ぎる。

2)オメガ6系のリノール酸の摂取量が多過ぎて、α-リノレン酸の摂取量が極めて少ない

3)有害な脂肪酸=トランス脂肪酸(マーガリン)の摂取量が多い。

この様な状況で、油が様々な病気を引き起こす原因になっています。

必須脂肪酸不足 〜悪い脂肪が引き起こすこれだけの病気〜

1)精神分裂病、その他の精神病

α-リノレン酸が脳神経系に欠かせない栄養素なので、その欠乏によって何らかの精神疾患が起きる可能性があります。精神疾患のある患者さんに対する治療には、多種類のビタミンやミネラルが処方されていましたが、現在ではそれに加えてα-リノレン酸も与えるようになってきているそうです。

2)心臓病、脳血管障害

心臓病や脳血管障害は、動脈の内壁がコレステロールや中性脂肪でふさがって血液の流れが妨げられて起きます。 α-リノレン酸は血液中のコレステロールや中性脂肪のレベルを正常な状態に保つために不可欠です。α-リノレン酸の不足で血圧が上昇したり、血栓が形成されれば心臓病や脳血管障害が起きます。

・現代の精製油はα-リノレン酸が含まれないことだけでなく、精製油には有害なトランス脂肪酸や、フリーラジカルが含まれている。

・ベータカロチン、ビタミンEなどの抗酸化物質である重要な栄養素が無くなっています。

3)ガン

遺伝的にガンになりやすい系統のラットに5種類の油を与え自然にガンになる率を比較した研究では、α-リノレン酸の含有率が高い亜麻仁油では2匹、魚油では6匹、ラード(飽和脂肪酸)では32匹、リノール酸含有率が高いコーン油、紅花油で60匹、66匹という結果になりました(1988年:ライナス・ポーリング科学医学研究所)。その他にも同じような研究結果が多数報告されています。

・これらの研究から、オメガ3系とオメガ6系の必須脂肪酸バランスが重要。

・オメガ6系のリノール酸の過剰摂取がガンを起こしやすいということがわかってきました。

かつて、リノール酸は必須脂肪酸といわれ、紅花油は『健康に良い油』と宣伝されていました。しかし現在ではリノール酸を過剰摂取すると、癌になりやすいことがわかり、メーカーも「リノール酸が豊富に含まれる」と宣伝しなくなりました。リノール酸は多くの普通の食品に含まれ、不足することはありません。たとえば、リノール酸はごはん2杯半で1日の必要量が摂取できます。


鎌状赤血球貧血と妊娠

4)アレルギー

細胞膜にトランス脂肪酸が入り込むと細胞膜自体が弱くなります。細胞は細胞膜を通じて必要なものや有害物質を出し入れしていますが、細胞膜が弱くなるとこの作業が滞ってしまい、アレルギー症状が起きやすくなると考えられています。細胞膜を構成する重要な栄養素であるα-リノレン酸が欠乏すると、同じようなことが考えられます。リノール酸の過剰摂取によって生成されるプロスタグランジンはアレルギー症状を助長します。

5)糖尿病

インシュリンが機能しているにもかかわらず血糖値が高いタイプの糖尿病には、インシュリンの命令を受けたプロスタグランジンがその機能を果たしていないために起こる場合があります。α-リノレン酸不足によりプロスタグランジンの生成に問題がある場合、α-リノレン酸と食物繊維の摂取によって糖尿病が改善される場合があります。

食物繊維の摂取が十分なら、インシュリンの必要量が少なくできることが臨床的に明らかにされています。食物繊維は消化管の中で緩衝装置として働き、血中に糖が放出されるのを遅くする役割を果たします。またコレステロールの代謝を正常にし、必須脂肪酸の働きを助けます。

6)肥満

肥満は、食事の取り過ぎとそれを体でうまく燃焼できないことによって生じます。体の中で脂肪を燃焼するためには、α-リノレン酸が必要です。脂っこい物がおいしいと感じるのは、体が『α-リノレン酸を取れ』と命令しているからです。しかし現代食では脂っこい物の中にα-リノレン酸が含まれていませんので、さらに脂肪をつけることになってしまいます。適度な運動と正しい栄養摂取で、代謝が正常になり、肥満が解消します。食べないだけでダイエットするのは大きな間違いで、α-リノレン酸は十分摂取しましょう。

7)その他

α-リノレン酸は人間のからだの免疫、代謝系をコントロールする重要な栄養素なので、欠乏することにより、喘息、カンジダ症、ウイルス感染、インフルエンザ、潰瘍、皮膚の症状など様々な病気の原因になります。

○かしこい油の摂り方   〜和食のすばらしさ〜 

現代的な食生活では、α-リノレン酸が不足しがちになります。α-リノレン酸欠乏にならない食生活が大切。

1)野菜類=○

野菜は必須脂肪酸バランスが良く、特に冬野菜にはα-リノレン酸が豊富に含まれています。α-リノレン酸を摂取しても、それ以上にリノール酸を過剰に摂取しては意味がありません。ですから野菜にリノール酸リッチな市販のドレッシングや、マヨネーズをかけることはお勧めできません。醤油ベースのα-リノレン酸を多く含む亜麻仁油製の自家製ドレッシングがよいでしょう。寒冷地の農作物と海藻類にはα-リノレン酸が豊富に含まれています。海藻類にもα-リノレン酸の他に現代人に不足しがちな栄養素が多く含まれますので、積極的に摂取しましょう。

2)穀類、種子類、豆類=○

寒冷地で栽培されたものの方がα-リノレン酸を多く含みます。温暖な地域でとれるピーナッツやアーモンドなどはほとんどα-リノレン酸を含みません。くるみ、くり、インゲン豆、大豆、などが特におススメ。またシソ科のエゴマ(ごまではない)はα-リノレン酸を豊富に含みます。穀物の胚芽も大切。胚芽は次の子孫のための命が詰まっていて、必要な栄養素が凝縮されています。α-リノレン酸もこの胚芽のなかに含まれます。現代食では白米が常識ですが、できるだけ精米されていないお米、分撞き米や胚芽米を食べて下さい。

3)魚=○、肉=×、乳製品=△

α-リノレン酸を多く含む海藻を食べる天然魚にはオメガ3系のDHAEPAが多く含まれます。人工的な餌で育った養殖高級魚より、安い小魚類のアジ、イワシ、サンマがいいでしょう。現在手に入る肉類は、野生の動物のように青草をあまり食べませんので、オメガ3系の脂肪酸はあまり含まれません。肉類はかえって余計な脂肪を摂取することになりますので、毎日食べることは避けたほうがいいでしょう。高温で殺菌された乳製品は、α-リノレン酸がまったく含まれません。

4)亜麻仁油=◎

欧米で以前より食用に重用されている亜麻の種の油で、オメガ3系のα-リノレン酸を60%、オメガ6系の脂肪酸を20%含む他、ベータカロチンやビタミンEを豊富に含みます。現在α-リノレン酸を摂取するには最適な食品ですから、積極的に摂取して下さい。ドレッシング用のオイルとして、あるいはそのまま朝晩小さじ1杯ぐらい補給していただいて結構です。他にα-リノレン酸を多く含む食用油は、エゴマ油、シソ油です。

 

脂肪の通信簿

 

動物性脂肪

 

植物性脂肪

 

魚の脂肪

 

飽和脂肪酸

単価不飽和脂肪酸

 

多価不飽和脂肪酸

 

 

高オレイン酸油

高リノール酸油

高αリノレン酸油

 

 

 

オメガ9系

オメガ6系

オメガ3系

 

 

バター,ラード

オリーブ油

サフラワー油

アマニ油

EPA,DHA

 

 

キャノーラ油

コーン、紅花油

シソ油

 

酸化のしやすさ

酸化しにくい加熱処理に向く

酸化しにくい加熱処理に向く

酸化しやすい

酸化しやすい

酸化しやすい

循環器への影響

血中LDL値を高める

LDLを下げる

LDLを下げる

血液の粘度を下げる

血液の粘度を下げる

癌への影響

発ガン促進

特に影響なし

発ガン促進

特に影響なし

特に影響なし


膝関節置換術の後の慢性的な痛み

アレルギー

特に影響なし

特に影響なし

なりやすい

おさえる

おさえる

総合評価

ほどほどに摂る!

たくさん摂らなければOK

減らしてちょうどよい!

酸化に注意して積極的に摂る!

酸化に注意して積極的に摂る!

 

○日本人の体質には和食が合っている
リノール酸は穀類、植物油、動物性食品に多く、α−リノレン酸は野菜、しそ油などに多く、α−リノレン酸系列のエイコサペンタエン酸(EPA〉は魚介類、海藻類に多く含まれています。アレルギーの立場からは、アトピー体質を持っている人は、食物アレルゲンになりやすい動物性食品、リノール酸のとりすぎを避けて、野菜や魚を中心とした和食のほうが合っていると考えられます。

○リノール酸のとりすぎに注意。
食物の中で最もエネルギーが高いのが脂肪です。1グラムで9キロカロリーものエネルギーを出します。たんぱく質や糖質の倍以上で、からだを動かすエネルギー源としては重要ですが、脂肪のとり方が間題。日本人は、インスタント食品や冷凍食品の使用が多くなり、また外食の機会もふえて、動物性脂肪をとる量が多くなってきました。一般に、動物性脂肪は飽和脂肪酸、植物性脂肪は不飽和脂肪酸からなっています。動物性脂肪は血液中の「悪玉」LDLコレステロールをふやし、動脈硬化を促進するのに対して、植物性脂肪はこれを防ぎます。成人病予防のためには、植物性脂肪と動物性脂肪を2対1の割合でとるのがよいとされています。そこで、動物性脂肪を減らして、不飽和脂肪酸の植物油をふやそうという指導が進められ、リノール酸の摂取量がふえてきました。ところが、魚離れと野菜嫌いの傾向が進み、もう一つの必須脂肪酸であるα−リノレン酸の摂取がふえず、必須脂肪酸バランスが悪化してしまいました。エスキモーとスカンジナビア人(デンマーク人)を比較すると、デンマーク人の病気の頻度はエスキモー人より心筋梗塞で10倍、気管支ぜんそくで25倍も多いという調査結果があります。エスキモー人とデンマーク人の脂肪の摂取量には大きな差はなく、脂肪の種類に違いがあります。エスキモー人は習慣的に魚の摂取量が多く、魚にはα−リノレン酸系列のエイコサペンタエン酸(EPA)が多く含まれており、このことが心臓病や動脈硬化、気管支ぜんそくの頻度を少なくしていると考えられています。この報告では、α−リノレン酸系列とリノール酸系列の食品の比率はエスキモー人で3.0、デンマーク人で0.3と計算されています。現在の日本の子どもでは、さらに低く0.15くらいで、ほとんどリノール酸系列といってよい状態です。日本にアレルギー疾患が多いわけがこれで理解できます。アレルギー反応が起きたときに、遊離される化学物質の一つにロイコトリエンがあります。これには、いくつかの種類がありますが、リノール酸系列由来のアラキドン酸から作られるもののほうが、明らかに反応性が高いことが証明されています。現在のところ、脂肪酸とアレルギーの関係が未だはっきりしているわけではありませんが、食生活の変化の結果として、脂肪のバランスが変化し、からだのアレルギーの反応性が高まっているとすれば、食物が免疫反応を通して大きな影響を与えているといえます。

リノール酸とα−リノレン酸は植物のみによって作られ、体内で生成されないため、食物から摂取するほかありません。リノール酸系列の食品は穀類、食物油、動物性食品に多く、αーリノレン酸系列の食品は植物プランクトン、野菜、しそ油、魚介類、海藻に多く、食品の選択の仕方によって相対比が変わってきます。リノール酸の摂取を減らして、α−リノレン酸が相対的に欠乏している状態を改善していく食生活の工夫が必要です。

 

グリーンランドエスキモー人とスカンジナビア人の慢性疾患

 

エスキモー人:スカンジナビア人

脳卒中

         25:15

急性心筋梗塞

          3:40

多発性硬化症

          0:2

消化性潰瘍

             19:29

乾癬

          1:20

          46:53

気管支ぜんそく

           1:25

てんかん

           2:1

憩室炎

         まれ:よくある

潰瘍性大腸炎

         まれ:よくある

慢性関節リウマチ

         まれ:よくある

Kromann and Green, 1980年)

 

第四回国際脂肪酸・脂質学会 ----ISSFAL2000 講演DHA関連論文概要 Peet Mら(英国シェフィールド大学)フィンランド人(25から64才)3,004名に魚の摂取や精神症状についてのアンケート調査を行ったところ、1,767名からの回答があった。これらの回答を整理したところ、魚をよく食べる人の方がうつ病になったり、自殺を考えたりする危険性が有意に低いことがわかった。

このことは、魚油がうつ病や自殺の危険性を軽減する可能性が有ることを示している。

1999年日本脂質栄養学会第八回大会総説よりJournal of Lipid Nutrition 1999/9/9-10重症気管支喘息症例に対するリノール酸制限食の効果JA北海道厚生連鵡川厚生病院・JA北海道厚生連帯広厚生病院 井齋偉矢ほか

頻回に発作を起こす重症気管支喘息入院症例の食事中脂肪酸のn6n3比を下げることにより臨床症状が軽減し呼吸機能が改善するか否かを検討した。病院特別食として総エネルギーの60%を穀物から摂取し、野菜、魚介類を中心としたリノール酸制限食を与え、毎月血中脂肪酸組成と呼吸機能検査を実施した。その結果、リノール酸制限食の開始後9ヶ月以降血中脂肪酸n6/3比が恒常的に2以下となり、それに伴い喘息治療薬使用量の減少と呼吸機能検査値の改善が認められた。また、喘息患者の臨床症状改善に寄与する可能性のあることが示唆された。

○魚の脂がよい

2001年6月、医学雑誌「ランセット」にサバ、ニシン、イワシなど、脂の多い魚をよく食べる人ほど前立腺がんにかかるリスクが低いというスウェーデンの大規模な調査結果が出た。67年から30年間にわたり、約6300人の男性を追跡して分かった。魚に含まれている脂(オメガ3系の脂で不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸など)に、がんの増殖を抑える働きがあるのではと考えられている。

○見直される魚油・植物油

魚の油や植物油の一部が「脳の働き」や「気持ちの安定」によいことが、さまざまな研究で分かってきています。普段、何気なく取っている油脂類ですが、その影響、効能にはなかなか奥深いものがあるということです。以下は毎日新聞7月7日付家庭欄の記事の要約・抜粋です。


いま食卓で使っている大豆・菜種・紅花・コーンなどの植物油にはリノール酸(n6という)が多く含まれるのに対し、日本古来のエゴマという植物からつくる油にはα−リノレン酸が多い。このリノレン酸は、体内で、イワシやサンマなどの魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)に変わる。つまり、α−リノレン酸とDHAは同じ仲間の油脂(n3という)ということになる。

心臓疾患や大腸がんの予防などにn3系油の摂取が有効なことが、動物実験や疫学調査で報告されているが、その逆に、n3系油の摂取不足が脳の働きや行動に影響を与えることも分かってきた。このことから考えても、n3系油の摂取不足を補う意味でもEPAやDHAを多く含む魚を取るように心がけるべきであろう。

 

(表) ネズミの比較行動実験結果

行動

 n−3欠乏群

 n−3豊富群

無駄な行動

多い

少ない

落ち着き

ない

ある

不安発生

多い

少ない

記憶保持

劣る

良い

水迷路学習

劣る

良い

視力

劣る

良い

 

<ネズミで実験>

お茶の水女子大学理学部助教授の小林哲幸さんらの研究グループは、2群の母とその子ネズミを使って油の摂取の影響を調べた。一方にはn3系の豊富な油を与え、もう一方はn3系油の欠乏した状態で育て、子ネズミの行動を比べた。その結果、n3系油を豊富に取った群は、学習能力が高く、落ちつきのある行動を見せた。(表)

 

○富山医科薬科大学教授の浜崎智仁さんらの研究グループの学生を使った実験でも、DHAが精神安定の作用があるという結果が出ている。※IDN製品"オプティマムオメガ"に、EPAとDHAが多く含まれています。

 

○どうして私たちの食生活が、最大の遺産である日本の伝統的な食生活体系と、「身土不二」「地産地消」「旬産旬消」「自給自足」の大原則を放棄し、堕落し歪められたものになっていったのか。大きな原因は5つ考えられます。

1つは、明治の開国以来、100年以上にわたる西欧栄養学への偏重した信仰で、現在にいたっても拭い切れません。2つは、戦後のアメリカを中心とする急速な欧米型食材、食物、食風習の導入。

3つは、やはり戦後意図的・政策的な栄養改善運動や学校給食を通しての欧米型食生活への煽動教育でしょう。

4つは、高度経済成長にともないバブルに浮かれて、労苦を伴う生産性の低い第一次産業が軽視して食糧生産を放棄しました。そして財力に物をいわせた世界の食材と美味珍品の大量輸入、料理や食べ方の大導入です。

そして5つには、簡単便利の追求、食素材の生産をやめただけでなく料理作りも簡略化。食べものの工業製品化と外部化である。

実は、真に健康的で豊かな食生活という観点から見ると、現在の私たちの食の世界はとんでもない大混乱の真っ只中にあり、世界に誇る伝統的な食体系・食文化が崩壊寸前にあるのです。秩序を失った訳のわからない日本人の食卓を作ってしまっているのです。

経済大国日本、豊かになった私たちの食生活は、日本の土で、日本の気候風土に合わせて作られ育てられた自分の手によるものを食べているのではなく、自然条件がまったく違った世界の各地で、世界の人たちに手によって作られ育てられた食べものを買って食べる食生活です。食べものは金で買って食べる単なるモノになってしまった感覚です。そして自分の食べるものを額に汗して自分たちの手で作ることの尊さや、生命ある食べるものを手塩にかけ丹精こめて育て上げる喜びをも忘れてしまいました。

きわめて不安定であり、労力の割には採算の合わない農業、食糧生産を軽視することは、自らの食体系を放棄し、生命そのものの軽視に他ならないと思います。(L A F 健農健食研究所 池田 優)

 

1997年第6回脂質栄養学会研究報告

●健康学童の脂肪酸組成からみた食事傾向 

下関市立中央病院小児科 永田良隆

19964月〜8月に下関市健康学童912101名の血漿脂肪

酸組成を検討した結果、n3/n6比が0.16±0.04であった。

また、アトピー性皮膚炎の小児が0.18、同成人が0.18で今回の学童と同様の傾向であった。以上より、健康児の食生活は完全に欧米化してしまい、和食の原型を留めていない。この傾向はアトピー患者においても同様である。したがってアトピー患者だけが特別の食事をしているわけではなく、たまたまアレルギー体質傾向の強い人が発症しているに過ぎないことを示唆している。それ故にアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患を減少させるには和食中心のn3多価不飽和脂肪酸優位な食生活に戻す必要があることを強調したい。

●フリーラジカル(活性酸素)傷害における過酸化脂質の生理的役割 名古屋大学薬学部 奥山治美

「過酸化脂質をつくりやすいn3系脂肪酸はとりすぎないように」という栄養指導は間違いであり、n6n3比率を下げることによってフリーラジカル病は抑えられることが証明されている。リノール酸(n6)の過剰摂取は細胞のアラキドン酸を増やし、それ由来のエイコサノイドをアンバランスに過剰に作らせる。これが虚血・炎症を促進する。一方n3系列はリノール酸代謝を競合的に抑制し虚血・炎症を抑える。すなわち、体内では自動酸化能の不安定なn6系列がフリーラジカル(活性酸素)傷害を促進し、空気中では不安定なn3系列が抑制する。リノール酸系→虚血、炎症→フリーラジカル→老化→ガン化、動脈硬化また、同氏は脂肪酸バランスについて、n6n3比の上昇にともなう欧米型ガンの死亡率、アレルギー患者数の急上昇している現状から、学会でも論議を重ね、内外の専門家の意見とともに、欧米型ガンなどの予防のためには、

1)脂質エネルギー比率を20%程度とする

2)リノール酸摂取量を大幅に減らすこと

3)若年層のn3系列脂肪酸の摂取増を勧めること

3点で意見が一致した。n6n3比の推奨値は2で受け入れられた。国際学会(ISSFAL)前会長のLeaf教授は12を推奨している。と発表しています。また、この中で植物油脂の有害性についても述べています。



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